☆アパート営業物語 NO.7

こんにちは シモンズです!

区画整理によって100坪から200坪の四角い畑(農地)が誕生しました。

区画整理地では公園や学校用地、また公共施設用地などを確保し、道路が敷かれ下水施設が設けられ電柱が立てられて町を形成するようにインフラが整えられます。

道路や公共用地などに土地を供出(減歩という)して所有面積は減りますが、二束三文だった畑や田んぼが付加価値のある優良宅地へと生まれ変わったのです。

都市化の波は資産価値を上げ所有から利用へ、また住宅用地の供給を目的に不動産(土地)の流動化を促しますが、昔から苦労して土地に執着してきた人たちは「親から受け継いだ土地は手放せない」となり、固定資産税もまだ農地並みのため「お祖父さん」たちは四角い畑で野菜を作り続けます。

こうなると本格的な農業はできませんが、土地を売ることも出来ず、結局畑にするしか成す術がないのです。

売る(土地の流動化)か、建てる(有効利用)か、耕す(農地にしておく)かのうち「耕す」を選び、後に偽装農地と言われるようになります。

農業で生計が立たなくなれば息子さん(後に私が営業するご主人さん)たちは、サラリーマンや自営業で生計を立てなければなりません。
前にも書きましたが、お祖父さんも高齢になり畑の世話が十分に出来なくなると、息子さん(ご主人さん)たちが勤めの休みの日に畑の世話をすることになるのです。

ここで営業のポイントである、建てる(有効利用)を提案していくことになる訳です。

今回はここまで。次回をお楽しみに。

☆アパート営業物語 NO.6

こんにちは シモンズです!

訪問先のお祖父さんとも話しができるようになってきました。自分は隠居して畑の世話をしています。

土地区画整理で宅地化された区画を何筆(土地の単位)も所有する「にわか地主」になったのですが、「自分は百姓(今は差別用語のようです)しか出来ないのでやめれんわ~」と言い、せっせと野菜を作っておられます。

もともと小作農家に生まれ親の背中を見て育った世代。当時の田舎では農業を継ぐしかなく、親と共に小作人として農業に従事していました。

しかし、戦後時代が変わり農地改革(開放)によって小作人だった農家が安く農地(田んぼや畑)を取得することとなり、自分たちの土地で農業を営むことになったのです。

さらに時代は進み世は正に高度経済成長時代を迎え、各地の都市では街に勤めを求めた人たちで人口が増えてきました。
また企業は従業員を確保しやすい都市近郊に工場を設け生産活動を活発化させていくことになるのですが、都市計画によって市街化区域や市街化調整区域が設けられ無秩序な開発を抑制したのです。

都市近郊で農業を営んでいた農家の畑や田んぼにも、この市街化区域の指定がされると健全な街づくりや優良な宅地の供給を目的として、各地で土地区画整理事業が立ち上げられました。ここで農家から「にわか地主」が誕生したのです。

少々かたい話しになりましたね。まだまだ住まいに関する話が出てきませんが、しばらくお付き合いください。

それでは次回をお楽しみに。

☆アパート営業物語 NO.5

こんにちは シモンズです!

お父さん方の共通した悩みが具体的にわかってきました。
各お宅で事情が異なりますので、それぞれのご事情を会話の中からリサーチします。

家族構成やお名前、年齢、健康状態やお勤め先、また趣味など、なんでもいいので訪問した時は何か一つは情報をとってくる。

そんな情報収集の訪問が続きます。さらに外堀を埋めるための大事な作業ですね。

今やご家庭の主権者となっている「お父さん」の先代、つまり「お祖父さん」は実際の名義人(地主さん)でありコミュニケーションはもっとも大事です。戦後の混乱期から激動の時代を生きてこられた方々です。そこに敬意を払って、ご苦労をされてきた昔のことをたずねてみる。

息子さん(ご主人)にはなかなか苦労話はしない(息子も聞かない)ようで、こちらが水を向けると自らいろいろ苦労話をしてくれました。

他人だから話せることも有るもので、らこちらは「お祖父さん」の話に関心を寄せ、相槌を打ちながら聞き入る。ポイントをついて質問する。

「その時お父さん(お祖父さんと話すときもお父さんと呼ぶ)はどうされたんですか!」答えが返ってくる。「なるほど~、それは大変でしたね~。私の親父は少し若いですが、同じような苦労をしたのかな~」などと合いの手を入れて聞き役に徹する。

これでさらに、ご家庭内の問題や悩みのタネが浮き彫りになってきます。

今回はここまで、次回をお楽しみに。

☆アパート営業物語 NO.4

こんにちは シモンズです!

リース建築の飛び込み営業、夜討ち朝駆け。
営業の仕事は辛くもあり、楽しくもあり、お客様の反応しだいですね!

主権者の「ご主人」ともやっと話しが出来るようになってきましたが、まだ仕事の話は殆んどしていません。

ここらで税金(固定資産税)の話しでも切り出そうかと言うところですが、当時はまだ土地区画整理で宅地化はしましたが、大方の地主さんは畑にして野菜を作ったり、果樹園として梅の木などを植えていました。

兼業農家とは言え、作っているだけで市場に出すわけでもなく、自給自足で消化したり、農家ではない近所の家にあげたり、畑でそのまま腐らせたりしていました。いわゆる偽装農家といわれるヤツですね!

営業に回ると「今日取ってきた野菜だから持っていけや!」と、よく大量にいただいたものです。

当時はまだ畑にしていれば固定資産税も農地並みでしたが、それでも野菜を作る以上耕運機や農具が要りますしセカンドカーは軽トラ、苗や肥料を買う費用も必要です。

サラリーマンとなっている地主さんには結構な負担となってきます。また、会社が休みのときは畑の世話をしなければなりません。

「お休みは畑の世話ですか!お父さんもなかなか楽させてもらえませんね~」「ああ~体もえらいし苗や肥料買うにも金がかかるで、何やっとるか分からんは」「野菜やコメ(別に田んぼも所有している方)は農協さんに出してないの?」「田んぼは農協まかせで金にならんし、片手間で作った野菜で市場に出すよなものはできんわ~」こんな会話から地主さんの悩みが垣間見えてきます。

そこが営業のポイントです。お父さん方のお悩み解消の取っ掛かりとなります。

では次回をお楽しみに。

☆アパート営業物語 NO.3

こんにちは シモンズです!

主権者のご主人へのアプローチはもっと大変。
奥さんとの人間関係は出来てきましたが、ご主人にはいきなり「お父さん」とはいきません。

そこは礼儀として、「〇〇さん」や「ご主人」となります。

奥さんから「〇〇建設の人が来て、土地活用や税金のことで話がしたいって言ってたよ~」くらいは聞いているので、やっと話が出来る機会があっても「〇〇建設さんか!」くらいは言ってくれますが、「ウチは土地がないから何も話すことはないわ!」と、軽くあしらわれて取り合ってもらえません。

ここは我慢のしどころ。奥さん同様に何度も何度もことわりの応酬が続きます。それでもめげずに顔を出していると、ある日庭で何かをやっているところに遭遇。

「ご主人!日曜大工やられるんですね~」と声をかける。「ああ、唯一の趣味だからな~」と返ってきたらしめたもの。すかさず「ワンちゃんの家ですか!」「いまのヤツが古くて狭くなったからな~、新しいのを作ってやるんだ!」「僕も手先は器用なほうで、たまに家の棚をつったりするんですよ~」「棚をつるぐらいは簡単だろ~、勝手口の横に増築して物置もこさえたわ!」こんな調子で話しをつないでいく。いつしか庭先で趣味の話しに花が咲く。

気分がよくなったところで、「お父さんが器用だとお母さんもたすかりますねえ~」とさり気なく呼称をチェンジ。次回の訪問からは「お父さんお元気ですか~」と声をかけ、仕入れたネタで趣味(日曜大工)のはなしを盛り上げる。「お父さんと話していると仕事のことを忘れて生き抜きできますわ~」と締めくくる。

次回はいよいよ営業(固定資産税)の話しに入ります。お楽しみに。